2003年7月から始動した京都の自主上映企画
CINEMA ENCOUNTER SPACE も今年でついに3年目に突入。
‘05年の上映企画をはじめる前に、まずはおのれのやってきたことを振り返ってみました。
会場においでの方も、そうでない方も、「ふーん、こいつらこんなことしてるんだね。ま、ええけど」とでも思っていただけたら幸いです。
やってるうちに白熱してきたのかそれともダラダラ癖の性分ゆえか、長きにわたってしまったので、前・後編に分けてお送りします。
まずは前半だ!
春一番!緊急企画!! CINEMA ENCOUNTER
PACE の 2004年を総括する!<〜前編〜>
*[00_intro]
*[01_CINEMA ENCOUNTER
SPACE 映画≒ドキュメンタリー]
*[02_CINEMA ENCOUNTER
SPACE meets STAN BRAHKAGE]
*[03_CINEMA ENCOUNTER
SPACE な人々]
*[後編ヘ]
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[00_intro]
誠一:今日はCINEMA
ENCOUNTER SPACE(以下CES)の2004年を総括する!ということで、2004年のCESを振り返っていきます。
後からまたぽちぽち途中参加がある予定ですが、まずははじめましょうか。私、一応代表の田中誠一と―
山内:はい。インディーズ新作選の鑑賞レポートを書いている山内茂和です。
僕が関わりだしたのが2004年からなので、それ以前のことはわかりませんが、2004年のスタートは3月のドキュメンタリー特集でした。
誠一::ああ〜。あれが一年の間のこととはにわかに信じがたい・・・
山内くんはちょうどこの時ぐらいから?
山内:そうですね。03年の年末頃から町家(※CES事務局は御所の近くにある町家の中にあります)に顔を出すようになって、本格的に関わりだしたのはこの時期だったと思います。最初は呼び出されて行きました。
誠一::呼び出したのはイキナリ電話ででしょう。「ちょっと顔貸せや」って体育館の裏に連れて行くみたいに?(中学生か?)
山内:いや(笑)まぁ、最初にアンケート用紙(の「運営に参加する」の欄)にチェック入れたのこっちですから。。でもずいぶんと突然だった気がします。
[01_CINEMA ENCOUNTER
SPACE 映画≒ドキュメンタリー]
誠一:ああいう、「モロ」っていう雰囲気のドキュメンタリーを見るというのはどうでした?
山内:しかも少し古めのでしたよね。どこまでが正義感でどこまでがネタを求める映画屋なのかがわからなかった。
真剣なのかもしれないけれど、(制作当時と上映を見る現在とで)時間が離れていると傍観者気分が強調されて、笑えてきてしまったんですよ。
誠一:今っぽい見方だね。具体的にタイトル挙げると、例えば?
山内:『叛軍NO.4』とか『三里塚 岩山に鉄塔ができた』。
誠一:上映作品を決めているこちらからすれば、まず小川プロの『三里塚』シリーズは外せない。
『叛軍』は・・・やりたかったんですよ〜岩佐久弥さんを。
山内:それ以外の作品はそう笑うようには見ていなかったようにも思うんですけどでも、この回で上映されたものの中で真っ先に思い浮かんだのは、そうした作品でした。
誠一:それはうれしい。この企画のメインはそこだから。
あと『北京』と『甘えることは許されない』とを入れて“これを見ろ!日本ドキュメンタリーの底力4連発”。
変則的な初級編みたいな感じかな。むちゃくちゃ大雑把だけど、日本のドキュメンタリー映画のひとつのタテの流れと幅を考えたらこうなっちゃった。CESでできる範囲で、というのもあるけど。
山内:タテの流れと言うのに90年代や00年代の作品がなかったのは、ドキュメンタリーは70年代頃までにパターンが確立したから?それとも佐藤真監督による「ドキュメンタリー映画の世界2004」http://www.acic.kyoto-art.ac.jp/event/document1/のプレリュード的な面を強調したかったから?
誠一:後者ですね。でも、本当言うと流れじゃなくてやっぱり点でしかないね、この取り上げ方は。「流れ」は無理です。
これはCESの基本的な意図でもあるんだけど、まずこういうものに触れてみてください、ということ。
『三里塚』シリーズだけ取ったって作品はたくさんあるんだけど、あんまりやられない『岩山に鉄塔が出来た』をやったのは、これをやってリアクションがあれば、『三里塚』シリーズ上映が別のところで自然に出てくることもあるかな、と。
あと、あんまり上映されてないし、中身が分かりやすいから。タイトルそのまんま、岩山に鉄塔を建てるだけ。それだけのネタで小川プロがどう映画を作ったかということを見たら、逆にシンプルな中によく小川プロの映画のつくり方というのが見えてくるんじゃないかという。
山内:きっかけになりそうな作品を選んだと
誠一:CESは自主上映だから、予算的にもできるものをやっていくという姿勢もあるので、例えば土本典昭氏の『水俣』シリーズなどはやっていませんよね。ちょっと予算オーバーになる。
土本氏の映画はでも「土本典昭フィルモグラフィー展」http://www.cine.co.jp/tsuchimoto/で全作品上映が行われて、大阪のシネヌーヴォでも05年の春にやる、ということがわかっていたので、こっちで無理にやることもないし、もしCESではじめてこういうドキュメンタリー映画に触れて何か強烈に感じた人がいれば、そちらには行きやすくなるだろう、という思惑もあるんですよ。で、パンフレットもこのときから作った。
三國奈々:遅くなりました。こんばんわ
誠一:ちょうど今来たのが、そのパンフレットをつくってくれていた三國奈々さん。
山内:インタビュー記事が豊富なパンフレットはCESの一つの売りになっていますよね。
三國奈々:内容がおもしろいですよね。
誠一:インタビューの方が書き記事より多い、ね。即効性があるんですよ、インタビューは。その分手間だけど。
ドキュメンタリーの時は、一気に三部つくるという狂い咲き状態でした。
三國奈々:三部は大変でしたね!
多分読者のかたも感じているとおもうんですが、ああいう企画はどういうつながりで誕生するんですか?
誠一:ホント、たいへんな思いばっかりさせてしまいました。
どういうつながりでっていうと、誰に取材するか、とか?
三國奈々:いえ、どういうふうに口説き落としたのかなあと。
誠一:え、いや、普通に・・・お食事券とかなにも渡してないよ。
三國奈々:はは、ごめんなさい、質問の仕方がわるかったですね。
誠一:「こういう上映をするので、お話を伺ってもいいですか?」と。何も特別なことはしてないけど、どうなんでしょうね。
三國奈々:そうなんです、どんなふうにアタックすれば相手の方がこんな真摯に答えてくれるんだろうと、いつも不思議だったんです。
誠一:いやーそれは皆さん大人ですから、というか、真摯な人がつくる映画はいいですよ。(←答えになってない。)
山内:「好奇」なものとしては扱わない態度は伝わっているんでしょうね。
誠一:身銭切ってるからね!ほんとにやりたいと思ってるし。
山内:作家も今現在の心境で作品を語りたい面もあるだろうし。
誠一:そういう意味では、『反軍No.4』の岩佐さんの記事と『カメラガール』http://www.eizoh.com/の原田さんの記事を同時に掲載することになって、それぞれを同時に読むということで受け手がどう感じるかというのが強く気になりました。
山内:語らなくては埋められない時代差の存在が物語より圧倒的に顕著。あたりまえですが。
誠一:「今」のことを二人とも語ってるんだけど、立場の違い、温度差とかがすごくはっきり出てるんですね。
山内:ジャ・ジャンクーの『小山の帰郷』なんかは、見つめているだけで感じるものがたくさん出て来たように個人的に思います。語ることによって状況を伝えようとするのとは違った接し方で、これがドキュメンタリーと並べて上映されていたのは面白かった。
誠一:さっきの話の「現代」ということで言えば、そう言えばジャ・ジャンクーでした、CESが提示したのは。(どうもやはり記憶が・・・)
山内:原田さんのインタビューでは『鉄西区』が取り上げられてましたけど。
誠一:『鉄西区』についてはけっこう賛否両論出てた。原田さんは結局見てないよー多分。9時間だしね。
それともうひとつ、パンフレットで有香さんにジャ・ジャンクーについて書いてもらえたのは本当によかったと思って。あれも偶然なんですよ、たまたま何の知り合いでもない有香さんのHPhttp://www.rinku.zaq.ne.jp/youxiang/を見て、そこに載っていた『青の稲妻』のレビューが面白かったんですね。
視点が僕とか他の人とは違って。中国という国の現在をちゃんと図った上で書いている。
これは実際行き来している人でないとできないし、会場に一回来てくれたときにはじめて直接話したんですが、やはり聡明な方でした。
そうそう、この前京都に市山省三氏(ジャジャンクー映画のプロデューサー。東京FILMEXプログラムディレクターでもある)が来たとき、その原稿が載ってるパンフ渡したんだよね。読んでもらえたかしら?
三國奈々: まあ!多分笑いはったと思います。
さっきの話で、すごい個人的な感想なんですけど、私ドキュメンタリーをしっかりみたのは産まれて初めてだったので、現代も過去も無く、すべて今の出来事のように『三里塚〜』も『小山の帰郷』も見てしまったので、衝撃を受けました。
誠一:できればその衝撃を引受けた企画がどんどんできればいいんだけど。
ジャ・ジャンクーの公開作はレンタルDVDでも見られるけど、『三里塚』シリーズは上映しないとなー。誰かー、頼みますー!
[02_CINEMA ENCOUNTER
SPACE meets STAN BRAHKAGE]
山内:(笑)。では次、「ブラッケージ特集」いきますか?
誠一: 次、もうブラッケージ?そうくるのか。何か間になかったっけ?
三國奈々:なかったはず・・
誠一: あ、そうか。すみません。なんかいろんな記憶がごちゃ混ぜで・・・
山内: :ドキュメンタリーでVOL.7.8.9、ブラッケージでVOL.10.11.12です。
誠一: これは入った!かつてない客入りでした。
三國奈々:ドキュメンタリーもかなり入ったと思いましたが?
誠一: いや、座席半分埋まるか埋まらないかじゃなかったかしら?
山内: ブラッケージは満席状態が続いたような記憶。
誠一: >ドキュメンタリーでVOL.7.8.9、ブラッケージでVOL.10.11.12
でも前は↑こうして数えていたんだな。今思うとヘンな数え方。
三國奈々:席が無くて、床に座る人もいましたね
誠一: 会場が造形大だし、内容的にもドンピシャで、造形大生がたくさん来てくれました。
山内: 造形大生はいつも「え”、お金とるんですか」って聞いてくるけど(笑)
三國奈々:よく聞かれまたよ、あはは。
誠一: そこは取りますよ。映画はお金を払ってみるもんです。アニメの時は7歳ぐらいの女の子から取ったぞ、1円!サイフ見たらそれしか持ってなかった。(※人のサイフを勝手に開けてはいけません)
三國奈々:それはとらなくてもいいのでは・・
誠一: そうなの?ひろこちゃん・・・
ヒローチャン:遅くなりました。こんばんは。
山内: こんばんわ
誠一: おばんです。広報と、会場では受付で活躍の田中裕子ちゃんです。
ヒローチャン: アニメのときは、映画祭地獄(※裕子ちゃんは京都国際学生映画祭スタッフも同時にやってました)で手伝えなかったからその1円エピソードの現場にはいませんでしたね。
山内: 僕は目の前で見ました。フリーパスを一円で売るような感じでした。。。
えーと、自分で話ずらしといてなんですが、造形大の先生方を企画に合わせて積極的にゲストに呼び出し始めたのはこの回くらいからな印象です。造形大で行わせてもらっている利点ですね。
誠一: インタビュー記事も含めて、ですね。もう、この大学のすごさのひとつなので、ヘンな空間なわけですよ。学校内を歩いていたら、「あ、宮沢章夫だ」「あ、相原信洋だ」「あ、佐藤真だ」「あ、大田省吾だ」「あ、観世榮夫」(笑)
で、学生もけっこう対等な感じで先生とやり取りしてる感じだし、いまちょうど舞台コースの卒業公演ラッシュなので、時間があればぜひ。学生の活動も見ないとね。淡白なところが少し気になるのだけど、面白いよ。
ブラッケージの時に個人的に面白かったのは、伊藤高志先生(『SPACY』など。
今の日本の実験映画界のエース)がひょっこり来て、ブラッケージを見るんじゃなくて、加藤泰『皆殺しの霊歌』をちょっと見て、「いや〜、やっぱシネスコいいねー」と言って帰って行ったこと。
あの時はじめて16ミリのシネマスコープサイズの上映やったんだけど、そこかぁ〜伊藤先生!と心で突っ込んで。
意外に好きなんだよね、ああいう劇映画が。
そこに反応してくれるのはうれしいんだけど、松本俊夫作品をブラッケージと一緒に上映する、と言ったら、最初は「関係あるの?」と言われて、あ、そこ触れてはいけなかったんだろうか、と。業界的な磁場に踏み込んでしまったのか?と思ったんだけど、結局何にもなかったから、理解していただけたんだと思います。
三國奈々:ブラッケージ作品の上映をして、即興音楽も挟んだりしましたね。
誠一: なかなかブラッケージだと、作品レンタル料もきっちりと必要になるので、CESでは少し予算的に例外という感じなんですが、なんとか集まるだろうということで。
この企画の場合、最初は津島さんという造形大の学生さんが「ブラッケージを上映したいんだけど、どうしたらいいと思いますか」と相談しに来はったんで、話をしているうちに「ほんならCESで企画しましょか」となって。その津島さんが即興で演奏する人たちも呼んできたんだけど、BEさんとか。
三國奈々:即興音楽はブラッケージとの繋がりはあんまりわからなかったけど、単に音楽として面白かったです。
誠一: 音楽につながりはないでしょう。ただ映像に喚起されて自分の持ってるものをその場に出してくる、という意図だったから、企画としてはクラブイベント的なのかしら。でもみんな聞いてたよね。
『皆殺しの霊歌』とか『アルプス颪』とかは僕と青木君かな。ブラッケージに何をぶつけるか、という勝負みたいに考えてた。
三國奈々:即興演奏はみんな上半身乗り出して聞いてました。体に響く感じでしたもんね。
私は悲しいかな『皆殺し〜』『アルプス颪』も見れていないんですが、ブラッケージになにをぶつけるかっていうのは、どんな意味で仕掛けたんですか?
山内: 抽象的な交感の方を得意とする人が多いのかな、場所的に。
三國奈々:そうかもしれない。身体的なのも好きなのかも。
山内: ブラッケージから言葉を紡ぎだすのは結構大変だった気がする。実はこの回だけ会場レポートってのがあって苦労した。って覚えてます?
三國奈々:この回だけだったんですね!覚えています。
誠一: ほんとは各回持ち回りでできればいいんでしょうね。
ヒローチャン: このときにエンカウンターに初めて出会った人ってたぶん多いですよね?神田くんとか松浦くんとか。
山内: 誠さんにとってブラッケージを上映することとは?
誠一: なんですか、いきなり(笑)。
山内: いや、何かあるじゃないですか。DVDでも売りに出されているものをあえて上映するところとか。
誠一: DVDになってるものって、ブラッケージ?
山内: 輸入版ですけど。
誠一: いや、それはあえてではないでしょ。
それでも観たくなるからああしてたくさん集まってくれたわけで、輸入版のDVDなんてそんなに普及しないし。
というか、僕は絶対ブラッケージを上映しなきゃいけなかったとか、そういうことは考えてないですよ。
山内: 興味はどこらへんにあったんですか?
誠一: 作家としてのブラッケージに?上映企画として?
山内: 企画として。
誠一: それなら、いかにブラッケージから出発して開かれた回路を多く作れるか、ということ。
でもそれは、特にブラッケージの時だけのことではなくて、いつも一緒だよ。
三國奈々:ではブラッケージの話が持ち込まれたから、いっちょやってみるかって感じだったのでしょうか?
誠一: そう。タイミングが命だ、と。持ち込まれる場合の時期もタイミングになるんだろうけど、それもあった。
あ、でもいきなり何にも知らないものをやろう、というのではないよ。「ブラッケージなら今やればこういう企画になるな」というのは憶測つけてやってます。念のため。
山内: 僕はフィルムで作られたものをフィルムで見る。CESが行って来たそういう行為に「見る」や「視覚」を作品化したブラッケージがうまいことハマるような気がしたんですけど。
誠一: そういうことはニュアンスで観に来る人が感じてくれれば一番すよね。
だから、というのじゃないけど、僕はいち参加者としてなら、ブラッケージの『自分自身の眼で見る行為』とペドロ・コスタの『ヴァンダの部屋』とメル・ギブソンの『パッション』がひとつのライン上にあるものみたいに見えました。個人的には、この企画をやったことでそういうことを感じられる契機となったのは大きいですよ。
山内: そういう言葉が出てきて少しわかりました。ブラッケージ作品に対する意見がなくって、掛け合わせの方ばかりに話題が行ってしまった理由が。
誠一: う〜ん、作品に対してということであれば、ブラッケージって、『DOG・STAR・MAN』が一番有名だけど、多分『DOG・STAR・MAN』だけ観ているという人はブラッケージが何をしようとしていたのかってほとんど分からないと思う。
『DOG・STAR・MAN』というのはあくまでブラッケージの作品の持つさまざまな要素が圧縮されて凝縮されているものだから(だから集大成的な意味合いで大きく取りざたされる)、それより、死体を切り刻んでいるのを30分も撮っていたり、自分の子供が生まれるところを接写で堂々と撮っていたりする即物性の方がわかるじゃないですか、なにがやりたいのか。もとい、何が映っているのか。
ブラッケージの思想が大事なんじゃなくて(作家本人には大事だけど)、その思想の強度が可能にしたとんでもない映像というのが見せる驚異そのものが面白いんじゃないの?でないと、特にブラッケージとかの場合そうなりやすいけど、作家の思想をぜんぶ受け止めちゃって、それを全面肯定するということでしか見る行為がありえなくなっている状態というのは、きわめて宗教的な状態だと思うんですが、そういうところにいかにさおを立てられるかと言うのが、さっきの勝負、ということなんです。
言いたい放題しゃべりすぎだなー、どうも(笑)。
これは企画者としてが半分と、個人としてが半分です。
山内: 「VSブラッケージ」って意識でした、この企画。
誠一: ちなみに僕が考えたサブタイトルは「STAN
BRAKHAGE 魂の遊び」。ボツりましたが。
山内: え”え”っ!
誠一: ブラッケージは、作家じゃなかったらどこかで変態親父といわれてもどうしようもないようなケだってあると思うんですよ。
でもそこは、ブラッケージ本人が最大限に自分と世界と向き合って作家たりえていた。
作品を作るということはそういうことだし、じゃなければ一歩間違って女の子とか切り刻んだスナッフムービーとか撮って捕まっていたかもしれない(そうなると遊びではなく、“シャレにならない。”)。
もうそれこそ悶絶しながら「ちくしょう」とか言いながら、女房のまたぐらを8ミリで撮ってたし、愛犬の死体も腐るまで放置して撮り続けたと思うんです。で、それが映っているスクリーンに対して観客の共感は介入できないし、そのブラッケージの世界との対峙の仕方と対立しながら見るしかないと思うんですよ、本当に見ようとしたら。この魂の強度にさし向かえるのか、という覚悟がやはり観る者にも迫られると思うんです。
三國奈々:山内さんの言葉共感する。私は以前『DOG〜』見たときにやたら不愉快になってしまって。気持ちが強すぎて腹が立って受け入れられなくて。だからCESの上映のときもやたら警戒してみてたんですが、でもなんでか見てるうちに笑えてきたんです。何だこの人も一緒だ!というか。うまく言えないんですけど。
誠一:松本俊夫氏http://www.imageforum.co.jp/matsumoto/はパンフの記事の中で、「ブラッケージの宇宙観は西欧のものだから、それとは違う宇宙観というのをこちらは示さなくてはいけないと思った」というようなことを言っていて、それはさすがに作家としての松本氏の矜持というか、問題意識になったわけで。それは松本氏がブラッケージの示した画面と対峙したからそうなのであって、もう一方で奈々さんが「この人も一緒だ」と感じたのは、作り手としての自分(※奈々さんもいろいろ映像作品を作ってます)と共鳴するなにかが見えたわけでしょう、画面を通して。
三國奈々:そうですね、さっき誠さんがいってたような宗教的な肯定というのか、そういう見方は私には出来ないのだけど、ブラッケージのどうしようもないところとか、それでも作らなきゃもっとどうしようもないぜみたいな人間臭いところに共感したのかもしれない。普通そうは感じないのかな。
誠一: それ、距離感ゼロでダイレクトに迫ってくるから、普通は「うわっ」となるんでしょう。文章(伝記?)とかストーリーとしてブラッケージの生涯を再構成したら、距離が遠くなるので、けっこう安心して見られるものになるんじゃないか。
三國奈々:それすごい良く分かる!
山内: 見たくもないものというのは、結局自分達は見たい世界しか見てないってことだし、そういう意味で眼を背けたくなるようなものを作品化したことってのは一つ興味深い。ただ、懸念するのは、作品に触れることでナイーヴな状態で内世界に閉じこもってほしくはないってことなのでしょ。見続けていたら何にも出来なくなってしまうような感さえある。でも、ある程度いってくると、ブラッケージも凄くわくわくとした気持ちで世界を観察しようとしてたんじゃないかって思えたけれど。。
誠一: よっぽど敏感になっていないと、判断がつかない状態になってしまうんだと思うよ。だから思考が無防備な状態で浴びてしまうと、啓示のように感じて宗教チックにダウンしてしまう。それか、受け付けないかのどちらかじゃないかしら。あ、でも、『自分自身の眼で見る行為』の上映の時に、誰か吐く人いないかと心配で客席を注意していたんだけど、みんなじっとスクリーン見てたよね。案外大丈夫、というかノッテいた。
カメラ回してるときは多分、「俺って天才!」って感じでノリノリだったんじゃない?
三國奈々:あんまり気持ち悪い!ってかんじじゃなくて、これなんだろう?って未知ものを見てるみたいだった。
山内: うんうん
誠一: ねえ!キモイ映像じゃないんだよね。サクサクって切れちゃう、これ、人体か?何かもう死んでるし、どうでもいいか、と。
三國奈々:ははは。山内さんの「ブラッケージも凄くわくわくとした気持ちで世界を観察しようとしてた」って言葉が素敵ですね。『自分自身の眼で見る行為』とかやっぱりそういう風にしか見えなくなってしまった。
山内: まぁ、ガラス窓についた雨水と娘の誕生を並列する(※ブラッケージ作『窓のしずくと動く赤ん坊』)のは、傍からみたらすっごい無責任かもしれないけれど、本人は相当に楽しかったっぽいよね。
三國奈々:ほんとですね。自分の世界のおもちゃばこをコツコツつくってたみたいに、こないだの上映では感じました。
[03_CINEMA ENCOUNTER
SPACE な人々]
山内:ところで裕子ちゃん、そこにいるんでしょ?
ヒローチャン:あ、います。覗き魔状態ですけど・・・
山内:ちゃんといるではないですか!
三國奈々:ははは
山内:ところで裕子ちゃんも奈々さんもCESに関わって長いじゃない。さっきも裕子ちゃん言ってたけれど、今年はメンバーが結構増えたのかな。僕はまだ面識がない人が多そうだけれど。
三國奈々:最近増えたの?ひろちゃん。
ヒローチャン:増えたのはさっき言ってた松浦くん、神田くんあたりくらいですが
山内:しかもみんな映研あがりなのかしら。。
三國奈々:ははは、割合は高そうです(^^
でも、ひろちゃんはエイケンではないですよ〜
山内:テニスサークル?
ヒローチャン:いや、何もしてないです。
何もしてなかったから(京都国際)学生映画祭スタッフになってみて
気づけばエンカウンターにも足つっこんでました
山内:いまや営業の主力じゃないですか
三國奈々:そうなの?!ひろこちゃん?!
ヒローチャン:え?そうなんでしょうか?まだまだですよ
山内:僕の数十倍のポスター・ビラ撒き能力を持っていながら。。
三國奈々:数十倍とは・・・さすがだー。
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